小学校低学年では算数でつまずく生徒が多いのですが、その原因は「基礎の不備」にあります。
基礎・基本が大切なことは誰もが知っていますが、何が基礎で何が基本なのかは意外と知られていません。
基礎・基本は同じように感じますが、別物なのです。
スポーツに例えると「基礎」は体力や筋力、柔軟性のことで、「基本」は各スポーツの型、技術になります。
いくら技術を身につけても、土台になる体ができていないと上達しません。
これと同じで、算数の基礎には、言葉の深い理解が必要なのです。
まず何を問われているのか、言葉を示す意味(概念)が解らなければ文章題は解けません。
算数に必要な言葉・概念は、小学校1年生でも200以上あります。
それらの言葉を全て瞬間的に把握できることは意外と難しいのです。
低学年期の算数の勉強では、プリントをやらせたり、100までの数を読み書きさせたり、簡単な足し算を教えたり、九九を暗記させたりという勉強はあまり必要ではありません。
こうしたやり方が知識の先取りでしかないからです。
ですから、あまり先取り学習は意味があるとは言えません。
だからと言って、低学年期に何も教えてあげなくてよいというわけではないのです。
低学年期には低学年期の算数の学び方があります。
数字が読めなくても、字が書けなくても、体と五感でいっぱい、しかも楽しく面白く算数を体験させていくのがそれです。
また、図形が苦手な生徒も多いのですが、リアルな教材でトレーニングすることで図形に対する感性は高まり、図形の基礎作りができるようになります。
そのため、やはり当幼児教室で行っている数理色板・積み木を用いた学習が大切となってきます。
数の概念のつかみ方
それは単なる数字の計算ではなく、確かな数量感覚なのです。
ここをつかむか、つかまないか、で学力の形成は大きく違っていきます。
算数の奥深い世界の中にある、数の概念。
これをつかみ取ることで、「後伸び力」が約束されます。
幼児期から数概念を育てる
受験を目標とした数偏重の今日の算数教育に疑問を抱いている方もいるでしょう。
算数は難しい定理の暗記や計算問題ばかりを扱う抽象的な世界ではなく、
手で触って実感できる、楽しく不思議に満ち溢れた世界であることを子どもたちに経験させる必要があります。
大切なのは、1+1=2だと暗記させるのではなく、
1と1のものを合わせると本当に2になることが数・量において確認できる数理的な経験をさせることなのです。
それには抽象的な数字に偏った従来の算数指導とは全く発想を異にする方法で、
幼児期から数概念を育てる算数指導を行う必要があります。
岡山市でその指導を行っているのは幼児教室「算脳キッズ」だけです。
多くの子どもたちにこの学習プログラムを届けられればと思っています。
家庭で取り組むべき「創造性の芽」の育て方
幼児期に見られる素晴らしい数理感覚を大きくなるまで失わせることなく磨き上げてゆきたい。
それが私の願いです。
知識偏重教育の弊害を最も強く受けているのは算数・数学教育です。
私の教室を訪ねてくる幼児・児童を見ていると、子どもたちが生まれながらに素晴らしい数理感覚を与えられていることに驚かされます。
そのバランスが年齢とともにくずれ、算数で落ちこぼれてしまう子が非常に多いのです。
3才の子に暗算をさせたがる親もいます。
小学生で因数分解ができると鼻の高い親もいます。
教え込めば何でもやりこなす。
大人が舌を巻くほどの許容力が、子どもの脳には備わっているようです。
しかし、その素晴らしい脳に、いずれ学校で習う知識を詰め込んでしまうのはあまりにももったいない気が私にはするのです。
知識ではなく、感覚を子どもの柔らかい脳の中で育てていきたいと私は思います。
鋭い感覚こそが創造性の確実な芽になると私は確信しています。