読書チャレンジ

読書

幼児・低学年クラス担当講師の小川です。

さて、皆さんは、お子さんにどのようにして読書への興味を持たせていますか?

  • 時間割の中に「図書」の時間があり、図書室へ行き本を借りて読む。
  • 「読書タイム」という時間が設けられ、その間は静かに本を読ませる。
  • 学級文庫は、休み時間はいつでも読んでもよい。

そのような取り組みをしている小学校は多いと思います。

学校で借りてきた本・・・。

きちんと読んだのか確認したことはありますか?

借りっぱなしでそのまま返却されてはいないですか?

当教室では、「読書チャレンジ」と題して、多くの本と関われる環境を作っています。

どんな大人になりたいのか、どうして今努力しないといけないのか、などを考えてもらうために、漫画の伝記がいつでも借りられるよう低学年の教室においています。

漫画なので子どもたちは興味津々。

授業の前後やお迎えを待つ間などの空いている時間は多くの子どもたちが本を読んでいます。

分からない言葉は辞書も手にしながら読む子もいます。

「これ読んだ?」

「この本に出てくる○○ってね・・・」

「△△ってどうやって作るか知ってる?」

などの子ども同士の会話や、知ったことを講師に自慢げに話してくれる子も増えてきました。

もともと、読書好きだったんじゃないの?と思われるかもしれません。

小学校1年生のKちゃんは、読書なんて興味なし!

絵本は読むけど長い文章の本は嫌い。

本の厚さが5mm以上の本は借りてこない。

図書室で借りた本は、学校に置きっぱなしでそのまま一週間後に返却・・・。

そんなKちゃんが2年生になり、今では、学校の図書室だけでは飽き足らず、毎週土・日は図書館に通い、月に100冊以上の本を読むまでになっています。

もちろん本の厚さなんて気にしません。

さて、Kちゃんはどんな一年を過ごしたのでしょうか?

1年生になったKちゃんは、「読書チャレンジ」に参加しなければなりませんが、絵本とは少し違う漫画は読みなれず、すぐにギブアップ・・・。

講師のどんな声かけにも知らん顔・・・。

1年生までは、このような状況が続き、保護者もKちゃんに読書を促すことは諦めかけていました。

そこで、2年生になった4月に半年がかりの計画を立ててみました。

【1ヶ月目】

図書館へ行き、大好きな絵本を30分間のみ読ませる時間を作り、10冊借りて帰る。

→ 岡山市立図書館は何冊でも借りられますが、30分間のみ、10冊のみと制限をつけることで、いわゆる腹八分目の状態になり、また行きたいと思ってくれるようになったそうです。

【2ヶ月目】

10冊借りる絵本の中に、1冊だけ、こちらが読んでほしい本を借りてもらう。

→ この1冊は、2年生の国語の教科書の後ろに掲載されている「おすすめ図書」です。

あらかじめ、Kちゃんとお母さんで確認してもらいました。

この中には絵本もありますので、まだKちゃんが読んでいる本は絵本だけでした。

【4ヶ月目】

「おすすめ図書」の中の少し長い文章の本も挑戦する。

→ この頃になると、図書館は1時間ほど滞在、借りる本も20冊(1週間で返却)になっていました。

厚い本の中にも挿絵があり、文字もそんなに小さくないということを知ると、Kちゃんは自ら手に取るようになったそうです。

【6ヶ月目】

教科書に載っていない「おすすめ図書」を探すようになる。

→ 今までの夏休みの読書感想文の指定図書や推薦図書なども選ぶようになりました。

そして・・・

なんと、Kちゃんは、読書感想文を書き、「佳作」をとれるまでになりました。

これは、Kちゃんにとって大きな自信になりますよね。

ここまでくると、もうお母さんが何も言わなくても、Kちゃんのバッグにはいつも本が入るようになりました。

そうそう、一つ大事なことを書き忘れていました。

ここまで、Kちゃんが読んでいる本は絵本を含め全て、お母さんにも読んでもらっています。

一緒にお話を共有することは、お母さんが大好きなKちゃんにとって、とても嬉しいことですし、今でもコミュニケーションの一つになっているそうですよ。

私は、このお母さんの協力が、Kちゃんを「読書好き」に変えた大きな要因だと感じていま