わり算について【前編】

岡山市の幼児教室算脳キッズです。

幼児教室「算脳キッズ」では、どのような考えのもと指導しているのか、今回はわり算を例にご紹介します。

初めてたし算やひき算を学習するのとは異なり、わり算までくるとそれまでの能力が土台となり、思っている以上に簡単にわり算の理解ができます。

学校教育では昔から、<わり算の意味>を2種類に分けて、「等分除」と「包含除」というふうに教えてきています。

等分除と包含除

例えば「りんごが全部で6こあります。」という条件に対して、2種類の問題が作れます。

問題① 6このりんごを2人で分けます。1人あたり何個もらえますか?

全体の数(りんごの数)から一人分の数を求めるわり算を「等分除」といいます。

問題② 6このりんごを2こずつ分けます。何人に配ることができますか?

全体の数(りんごの数)から何人分の数を求めるわり算を「包含除」といいます。

等分除とは「6このりんごを2人で同じ数ずつ分ける(2等分する)と、一人あたりは何個もらえますか」というようなわり算のことです。

「6こ÷2人=3こ」のように、わられる数と答えの名数が同じです。

包含除とは、「6このりんごを2こずつ分けると、何人に分けられますか」というようなわり算のことです。

「6こ÷2こ=3人」のように、わられる数とわる数の名数が同じです。

わり算の2つの意味を厳しく区別させる先生も多いようですが、問題の見方を変えただけですから、あまり厳しく言う必要はないと思います。

それよりも、どのようなときにわり算が使われるのかを理解させることに重点を置いた指導を行っています。

また、「あまり」「もとの数」「わる数」「わり切れる」「商」「・・・」「仮商」などという言葉にも慣れさせておきます。

かけ算の「かける数」「かけられる数」も同様です。

わり算を理解するためには、年長までに補数を理解させておく必要もあります。

人形などの具体物を使うことで、1対1対応の理解を子ども自身が手を使って理解をするようにします。

「分けるからわり算」なのだとまずは目で確認することが大切になります。

慣れてくれば、子どもに問題を作らせてみるのも良いです。

同じ条件(全体の数)から等分除、包含除の問題が両方とも作れると理解がより進みます。

それでは、包含除の指導について少しご紹介します。

包含除の指導

包含除の問題として、例えば次のような問題を目で実感させながら一緒にします。

「ここに12個のおはじきがあります」といって、12個のおはじきを並べます。

ドット棒などで整列させれば、一目瞭然に12個だということがわかります。

そして、「これを一人に6個ずつ分ければ、何人に分けられますか」と言って、6個ずつ取っていきます。

ここで「ずつ」という言葉がわからない子もいますので注意です。

6個でできたら、同様にして、

「4個ずつ分ければ、何人に分けられますか」

「3個ずつ分ければ、何人に分けられますか」

「2個ずつ分ければ、何人に分けられますか」

とその個数ずつ引いていきます。

ここから発展的な指導として、かけ算で考えさせるのです。

6が何回引けると12になる。

つまり6×□=12

6の段での答えが、12になるときの数を求める、というわけです。

テクニックとしてのみの指導(単に、かけ算九九の反対の計算だというだけの理解)ではなく、実感をたっぷりさせておくことが、わり算という意味を理解し、文章題を解くという目的への近道になります。

逆にこのようにわり算などを理解をしている子どもで、文章題でつまずいた子はいませんでした。

繰り返しになりますが、どのようなときにわり算が使われるのかということを、深く理解することに重点をおいた指導を心がけています。